日本語を教える

日本語ジャーナル(通称:NJ)は、外国人に日本語を教える「日本語教育」に役立つサイトです。日本語教師や学習者のリアルな姿、日本語の教え方のノウハウ、検定試験や最新の本の情報、知っておきたい法律や行政の動きなど、幅広くかつ分かりやすくお伝えします。


論理的思考力と学力は大いに関係あり

論理的思考力と学力は大いに関係あり

論理的思考力(ロジカルシンキング)という言葉を聞いたことがありますか? もともとはビジネスパーソン向けのツールや手法でよく使われていた考え方です。最近は学習指導要領を通して学校教育にも広がっており、大人から子供まで全世代的にその考え方に触れる機会が増えました。日本語教育の世界にいち早く論理的思考の考え方を取り入れ、『日本語ロジカルトレーニング...


実践してみませんか、「日本語ボランティアチューター制度」

実践してみませんか、「日本語ボランティアチューター制度」

前々回、前回のコラムでは「日本語ボランティアチューター制度」について、どんな活動をするものなのか、また実際の学習者との交流の様子や、チューター活動で得られることなどを紹介してきました。日本語教育機関でこの制度を取り入れてみたい、この制度に興味がある……と思ってくださった方に向け、今回は、わたしの学校ではどのようなルールのもと活動を進め、チューターと学習者をマッチングする際は何に気をつけているか、などをご紹介したいと思います。(惟任将彦:名古屋YMCA日本語学院主任教員)...


日本語教育に必要な文字としての漢字教育

日本語教育に必要な文字としての漢字教育

日本語学習を挫折させる最大の要因――それが「漢字」です。これから新しい日本語という外国語を勉強しようと思った際に、平仮名やカタカナ各約50の文字を覚えるのでさえ容易ではないのに、さらに1000~2000もの漢字という文字を覚えなければならないと知ったら、日本語学習を諦めてしまう人が多いのも無理はありません。これを解決するヒントが文字(形)としての漢字教育にあります。この度、『かんたんルールとパーツでおぼえる...


ウィズコロナの時代に日本語学校が考えるべき3つのポイント

ウィズコロナの時代に日本語学校が考えるべき3つのポイント

コロナ感染拡大に伴い、多くの人が一カ所に集まるのを避けるために、教育機関はオンライン授業への対応を否応なく迫られました。日本語学校も同様です。日本語学校は海外から学生が留学してくることを前提にしているので、他の教育機関以上にコロナ禍の影響を被りました。アフターコロナからウィズコロナへ人々の意識が変わりつつある今、日本語学校が改めて考えなければならないことを、コミュニカ学院の奥田純子学院長にうかがいました。...


漢字の面白さを発見しながら学べるテキスト、『どんどんつながる漢字練習帳』

漢字の面白さを発見しながら学べるテキスト、『どんどんつながる漢字練習帳』

前回のコラムでは、長年、試行錯誤を続けた私の取り組みについてお話ししました。今回は、その集大成として生まれた『どんどんつながる漢字練習帳』を具体的に紹介するとともに、どんな授業を行えば学習者が能動的に漢字学習に取り組めるかについて考えたいと思います。(鈴木英子:(公財)宮城県国際化協会地域日本語教育アドバイザー)...


授業のユニバーサルデザインを目指す日本語教育

授業のユニバーサルデザインを目指す日本語教育

ユニバーサルデザイン(以下UD)とは、文化・言語・能力の違いや障害の有無などを乗り越えて、できるだけ多くの人が利用・参加できることを目指したデザインやプロセスのことです。駅で目にすることが多くなった、幅の広い改札(車いすの人でもそうでない人も通りやすい)などが、その一例です。このUDの考え方を日本語教育に生かす活動を実践している横山りえこさんに、UDについて考えるようになったきっかけや、日本語教師にも知っておいてもらいたい大人の発達障害についてお話しいただきました。...


日本語を話したい外国人と日本人高齢者をマッチング

日本語を話したい外国人と日本人高齢者をマッチング

ICTの進展に伴い、社会の中にこれまでになかったさまざまな新しいサービスが生まれています。今回ご紹介する「Sail(セイル)」もその一つです。これは、日本語を話したい外国人と日本人のシニア層・ミドル層をマッチングして、日本語でのおしゃべりを楽しんでもらおうというアプリです。世界的なコロナ禍で人と人との対面での交流が難しくなっている状況の中で、このアプリの利用者が増えています。また、シニア層の地域のコミュニティ活動の促進という観点から、全国の地方自治体も注目しています。(編集長)...


「学習者の視点に立った漢字授業」のために、日々、試行錯誤

「学習者の視点に立った漢字授業」のために、日々、試行錯誤

現在、日本語の教育現場では非漢字圏学習者が急増し、漢字の指導に苦慮しているという声をよく耳にします。非漢字圏学習者の抱える問題点については、前回のコラムでその原因を探りましたが、そうした学習者が漢字を楽しく効果的に学ぶために、教師はどのような授業を行えば良いのでしょうか。今回のコラムでは、長い間その答えを探し求めて試行錯誤を重ねた私の取り組みを紹介します。悩みながら授業の改善を続けることで、学習者はどう変化したのか、そこから私は何を学んだのか。教える側の目線ではなく、「学習者の視点に立った漢字の授業作り」について考えるきっかけになれば嬉しく思います。(鈴木英子:(公財)宮城県国際化協会地域日本語教育アドバイザー)...


オンラインで学生の出席率アップ─カイ日本語スクールの取り組み

オンラインで学生の出席率アップ─カイ日本語スクールの取り組み

多くの日本語学校は2020年の3月ぐらいから、コロナ禍のために授業のオンライン化への対応を余儀なくされました。そんな中、5年前から学校のオンライン化を積極的に進め、今回のコロナ禍にあってもさまざまな工夫をこらして、柔軟にオンライン教育を展開しているのが新宿区・大久保にあるカイ日本語スクールです。カイ日本語スクールのこれまでのオンライン化への取り組みと教育実践について、校長の山本弘子先生と担当の内藤夕子先生、吉田幸世先生、大鷲那緒先生からお話をうかがいました。...


日本語ボランティアチューター制度で広がるコミュニケーションの輪

日本語ボランティアチューター制度で広がるコミュニケーションの輪

名古屋YMCA日本語学院では、「日本語ボランティアチューター」の制度を作り、活動を続けています。日本語ボランティアチューターとは、日本語を教えるというよりも、学習者と1対1でおしゃべりをし、学習者との関係を築いてもらうようなボランティアです。...


第二言語習得研究の過去・現在・未来

第二言語習得研究の過去・現在・未来

第二言語習得研究という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。日本語教育能力検定試験にもよく出題されますし、研究発表のテーマなどにもよく取り上げられます。外国人が第二言語として日本語を習得する時、何がどう影響するのか、教え方によって習得の度合いは変わるのか、第一言語(母語)との習得の違いはあるのかなど、第二言語習得研究は日本語教師にとって必須の内容です。先頃、『改訂版...


オンライン教育は「対面授業の代替」から「ハイブリッド型への最適化」へ

オンライン教育は「対面授業の代替」から「ハイブリッド型への最適化」へ

新型コロナウィルスの拡大に伴い、教育機関の多くが対面授業からオンライン授業へ移行しました。日本語教育機関も例外ではありません。緊急事態宣言が解除になり、通学も少しずつ可能になる中で、オンライン授業は新しいフェーズに進みつつあるようです。日本語教育機関におけるオンライン授業の現状と今後について、YouTubeやfacebookなどを通してICTに関する情報を積極的に発信している藤本かおるさんにお話を聞きました。...


漢字は悪魔が作った文字? 漢字習得のハードルが高い原因を探る

漢字は悪魔が作った文字? 漢字習得のハードルが高い原因を探る

漢字への興味が動機となって意欲的に学ぼうとする人がいる一方で、その難しさから日本語習得そのものに挫折してしまう人も少なくありません。「漢字は難しい」と思うその原因は何なのでしょうか。「漢字は面白い」と思ってもらえる授業を目指すため、まずはその原因を探っていきたいと思います。(鈴木英子:(公財)宮城県国際化協会地域日本語教育アドバイザー)...


「悲しくて涙が出る」ほど、日本語の文字習得は苦労する

「悲しくて涙が出る」ほど、日本語の文字習得は苦労する

日本で育った日本人は普段、苦もなく使っている、ひらがな・カタカナ・漢字などの日本語の文字。これらの文字を外国人学習者が習得しようとするとき、大きな壁が立ちはだかります。私も、長年日本語を教える中で、何度も学習者の文字習得への苦労を目の当たりにしてきました。...


コロナ禍によるオンライン授業の計画、実施で感じたことー日本語学校主任教員の立場からー

コロナ禍によるオンライン授業の計画、実施で感じたことー日本語学校主任教員の立場からー

今回のコロナ禍の影響は社会のさまざまなところに影響を及ぼしており、社会のあり方も大きく転換を迫られています。その中でもとりわけ影響が大きいのが、「学校」などの教育機関です。小学校や中学校などは軒並み休校になり、部分的にオンライン授業を行った、あるいは現在も行っているところもあります。日本語学校も例外ではありません。しかし今まで実施していなかったオンライン授業を急遽始めるにあたり、さまざまな面で支援・配慮・体制整備を行う必要がありました。今回は私が勤務する日本語学校を取り上げ、実際にオンライン授業を行った際の経験を共有させていただこうと思います。(柏谷涼介)...


日本留学試験で学生が高得点を取るための指導法

日本留学試験で学生が高得点を取るための指導法

日本留学試験は日本の大学進学を目指す留学生が受験する試験です。受験者は毎年増加しており、2019年度は日本国内で約3.7万人、海外で1.3万人、合計約6万人もの人が受験しました。この日本留学試験の最新の傾向を踏まえ、どのような指導をすれば学生が高得点を取れるのか、この度、『日本留学試験模擬テスト3回分...


日本語ボランティアチューターのススメ

日本語ボランティアチューターのススメ

名古屋YMCA日本語学院では、「日本語ボランティアチューター」の制度を作り、活動を続けています。学校の中で、「日本語ボランティアチューター」はどんな役割を担っているのでしょうか。どんな活動を行っているのでしょうか。名古屋YMCA日本語学院主任教員、歌詠む日本語教師、惟任先生のコラムです。...


緊急リポート―全校でオンライン授業を実施。新宿日本語学校の場合

緊急リポート―全校でオンライン授業を実施。新宿日本語学校の場合

日本国内で新型コロナウィルスの感染が広がり、小中高校は一斉休校となりましたが、外国人留学生が学ぶ日本語学校でも多くの学校が休校や時差通学の措置を取りました。そんな中、東京都新宿区高田馬場にある学校法人江副学園新宿日本語学校では、学生を登校させることなく全校でオンライン授業に切り替えました。休校を決めてから全クラスのオンライン授業が始まるまでわずか3日。それはどのように実現できたのでしょうか。新宿日本語学校の江副隆秀校長、森恭子副校長、広報及びIT担当の江副カネル隆二さんにお話を伺いました。...


公教育で学びのセーフティネットを―夜間中学松戸市立第一中学校みらい分校の挑戦

公教育で学びのセーフティネットを―夜間中学松戸市立第一中学校みらい分校の挑戦

戦後の混乱期に誕生し、義務教育を終えることができなかった方のための学びの場であった夜間中学。それが最近では、日本に暮らす外国籍の方たちが日本語や教科を学ぶ場にもなっていることをご存知ですか。国は義務教育未修了者だけでなく、不登校の生徒の学び直し、さらに外国籍の方々に義務教育を受ける機会を保障するとして夜間中学の設置・充実を推進しています。平成29年には教育機会確保法が施行され、22年ぶりに2校の公立夜間中学が新設されました。そのうちの1校、千葉県松戸市にある松戸市立第一中学校みらい分校を取材しました。...