日本語教育史

日本語ジャーナル(通称:NJ)は、外国人に日本語を教える「日本語教育」に役立つサイトです。日本語教師や学習者のリアルな姿、日本語の教え方のノウハウ、検定試験や最新の本の情報、知っておきたい法律や行政の動きなど、幅広くかつ分かりやすくお伝えします。


木村宗男と平和のための日本語教育

木村宗男と平和のための日本語教育
2024年4月より日本語教育機関認定法が施行され国家資格「登録日本語教員」制度が開始されます。戦後の日本語教育の歩みの中でも大きな転換点をむかえ、とりわけ、日本語教員養成は新たなフェーズに入ったと言えるでしょう。一方で、現代の地球社会には、環境や災害、紛争、感染症など、多くの危機的な問題が横たわっていて、日本語教育や日本語教師に求められる役割を広い視野で考えることも求められています。今回は、戦中・戦後に日本語教育に従事し、日本語教育学会の設立や教員養成に寄与した木村宗男に着目し、その活動と志向された平和のための日本語教育をご紹介します。

アーネスト・サトウの『KUAIWA HEN』 - 日本に世界を伝え世界に日本を伝えた外交のスペシャリストの日本語教材-

アーネスト・サトウの『KUAIWA HEN』 - 日本に世界を伝え世界に日本を伝えた外交のスペシャリストの日本語教材-

2022年はイギリス公使館の通訳と駐日公使を務めたアーネスト・サトウ来日後160年にあたります。サトウは、幕末から明治維新前後にかけて通算25年もの間日本に滞在し、徳川慶喜や勝海舟、西郷隆盛、桂小五郎、岩倉具視、木戸孝允、伊藤博文、井上馨、大久保利通といった面々と親交を持ちながら、外交から文化交流、そして学術研究に至るまで幅広く功績を遺しました。今回は、そのうちサトウと日本との出会いや、日本語学習と研究、そして、サトウ自身が作成した日本語教材をご紹介します。(田中祐輔:青山学院大学准教授)...


中国からの留学生教育と松本亀次郎 ー“相知り相信ずる”親善の思想 ー

中国からの留学生教育と松本亀次郎 ー“相知り相信ずる”親善の思想 ー

令和元年度に日本への留学生数は30万人を突破しました*1。そのうち最も多いのが中国からの留学生12万人で、日本の留学生総数の4割を占めます。人文科学、社会科学、理学、工学、農学、保健、家政、教育、芸術など幅広い分野で日々学んでいます。一方、2020年には、新型コロナウイルス感染症の拡大で、留学そのものが困難となる事態が訪れました。留学生数全体でも前年比32,617人減という調査開始以来経験したことのない厳しい状況となっています。...


宣教師ヴァリニャーノによる日本語・日本文化学習と教育 -歩み寄りと相互理解を目指した巡察師の精神-

宣教師ヴァリニャーノによる日本語・日本文化学習と教育 -歩み寄りと相互理解を目指した巡察師の精神-

第266代ローマ教皇に現在のフランシスコ教皇が決定した際、史上初のイエズス会出身者であることが注目されました。イエズス会はカトリック教会の修道会で、日本でも著名なフランシスコ・ザビエルらによって創設されました。今から約500年前に日本にはじめてキリスト教を伝えたことでもよく知られています。...


中国での日本語教育の発展を支えた、市民による国際交流 ― 長洲一二元神奈川県知事の民際外交 ―

中国での日本語教育の発展を支えた、市民による国際交流 ― 長洲一二元神奈川県知事の民際外交 ―

国際交流基金が3年に一度実施している『海外日本語教育機関調査』の結果がこのほど発表され、世界142の国・地域で385万人もの人々が日本語を学習していることが公開されました。40年の間に学習者数は実に30倍に増加し、日本語や日本文化に親しむ人々は日本と諸外国との交流の重要な担い手となっています。...


分け隔てなくともにー近代留学生教育と嘉納治五郎ー

分け隔てなくともにー近代留学生教育と嘉納治五郎ー

NHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』では、日本が初参加した1912年のストックホルムオリンピックから1964年の東京オリンピックまでの半世紀にわたる日本オリンピックムーブメントの歩みが色彩豊かに描かれました。主人公は日本マラソンの父と称される金栗四三と、東京オリンピック実現に重要な役割を果たした田畑政治ですが、二人に負けない存在感を放っていたのが嘉納治五郎です。...


フランスにおける日本語メディアの創設 -イリフネ出版創業者ベルナール・ベロー氏とマガジンハウス創業者清水達夫氏-

フランスにおける日本語メディアの創設 -イリフネ出版創業者ベルナール・ベロー氏とマガジンハウス創業者清水達夫氏-

古くは19世紀欧州の“Japonisme”という日本ブームを牽引し、現在では300万人が訪れる日本文化イベントが開催されるなど、フランスは日本語や日本文化にとりわけ理解のある国とされています。...


ロシアの日本理解に力を尽くした日本人漂流民ゴンザ - 露日辞典と300年にわたる教師リレー -

ロシアの日本理解に力を尽くした日本人漂流民ゴンザ - 露日辞典と300年にわたる教師リレー -

日本とロシアとの修好165周年を迎える今日、日露間では、政治経済から文化芸術まで幅広いチャンネルで交流が行われています。日本の外務省が2016年に実施した調査によると、ロシアでは日露関係が比較的友好状態にあると認識する人々の割合が約80%に上り、日露友好関係は重要であると認識する人々の割合は実に97%に達しています。...