公的な海外日本語教師派遣プログラム
海外へ日本語教師の派遣を行っている代表的な機関としては、独立行政法人国際交流基金(JF:The Japan Foundation)と独立行政法人国際協力機構(JICA)があります。
それぞれ、日本語教師に限らず、さまざまな活動分野・レベルで人材の派遣を行っていますが、ちょうど夏が募集時期と重なる日本語教師向けのプログラムがありますので、ご紹介します。
現地の中等教育機関や大学などで、目を輝かせて日本語を学ぶ子どもたちや、奮闘するノンネイティブ日本語教師と直接交流するのは、日本語教師として何物にも代えがたい貴重な経験になるでしょう。プログラムによっては事前説明会を開催して先輩の話を聞く機会があったり、現地の様子を紹介している動画などを見たりすることもできます。公的な機関からの派遣ということで、さまざまな面で安心感もあるでしょう。
各プログラムの詳細ページへのリンクを掲載しておきますので、興味のある方は、ぜひWEBサイトを覗いてみてください。
日本語パートナーズ(JF:独立行政法人国際交流基金)
【活動内容】
(1) 派遣先機関の日本語教師が行う授業への協力
(2) 授業の教材作成等への協力
(3) 授業や課外活動における生徒との交流(日本語での会話、文化活動への協力等)
(4) 派遣先のJF海外拠点等が実施する日本語教育事業への協力
(5) その他、現地の要望に応じて実施する、地域における日本語学習支援、日本文化紹介を通じた交流活動等
【募集人員・派遣期間・派遣先機関】
(1) タイ13期
募集人員:75名
派遣期間:2025年5月~2026年2月
派遣先機関:中等教育機関(中学校・高等学校相当)
(2) インドネシア22期
募集人員:60名
派遣期間:2025年8月~2026年3月
派遣先機関:中等教育機関(高等学校相当)
(1) フィリピン12期
募集人員:20名
派遣期間:2025年8月~2026年3月
派遣先機関:中等教育機関(中学校・高校相当)・高等教育機関(大学相当)
【応募期間】
2024年7月12日(金)~9月3日(火)
【詳細】
https://asiawa.jpf.go.jp/partners/
JICA海外協力隊 2024年度 第1回短期派遣
「短期一般」の日本語教育の欄には、タイ、カンボジア、ベトナム、コスタリカ、ザンビア、パラグアイなど、さまざまな国の大学、中等教育などからの要請情報が掲載されています。派遣時期は2024年12月以降、2025年4月以降などが多いようです。
【応募期間】
2024年7月2日(火)~7月31日(水)正午
【日本語教育の資格条件について】
資格条件として「日本語教育に関する資格」を挙げている機関が多いのですが、「日本語教育に関する資格」とは一般的に以下の三つのうちいずれかを満たしていることを指します。
①420時間程度の日本語教師養成講座(通信講座を含む)の修了
②大学または大学院の日本語教育主専攻・副専攻などの修了
③日本語教育能力検定試験合格
④登録日本語教員(2024年度から)
【詳細】
https://www.jica.go.jp/volunteer/application/
プログラムにより応募時に必要な書類などが異なります。
執筆:新城宏治
株式会社エンガワ代表取締役。日本語教育に関する情報発信、日本語教材やコンテンツの開発・編集制作などを通して、日本語を含めた日本の魅力を世界に伝えたいと思っている。
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