応募者数は約79万人、受験者数は約68万人に
まずは、全体および海外・国内の数を見てみます。
全体応募者数/受験者数:793,701人/680,453人
海外応募者数/受験者数:506,143人/414,605人
国内応募者数/受験者数:287,558人/265,848人
内訳を見てみると、全体の約6割が海外、約4割が国内であることがわかります。次に昨年2023年の7月の試験と比べてみます。
全体応募者数/受験者数:113.7%/113.0%
海外応募者数/受験者数:104.5%/102.4%
国内応募者数/受験者数:134.5%/134.8%
昨年7月の試験と比べて、全体で応募者が約10万人、受験者が約8万人増加しています。海外も国内も応募者・受験者が増えていますが、特に、日本国内で大きく増えていることがわかります。
海外のレベル別状況
海外と国内に分けて、どのレベルの応募者・受験者が増えているのかを見てみます。まずは海外の応募者・受験者を昨年7月の試験と比べてみます。
N1応募者数/受験者数:97.0%/93.1%
N2応募者数/受験者数:111.5%/109.6%
N3応募者数/受験者数:122.5%/121.5%
N4応募者数/受験者数:89.8%/87.0%
N5応募者数/受験者数:107.0%/108.5%
全体的に下のレベルの応募者・受験者が増えていますが、N4だけ数字が下がっているのは、同じレベルの日本語の試験である日本語基礎テスト(JFT-Basic)が影響しているのかもしれません。
国内のレベル別状況
次に国内の応募者・受験者を昨年7月の試験と比べてみます。
N1応募者数/受験者数:108.2%/107.2%
N2応募者数/受験者数:132.7%/133.7%
N3応募者数/受験者数:141.1%/140.7%
N4応募者数/受験者数:157.8%/158.2%
N5応募者数/受験者数:119.7%/117.5%
全てのレベルで応募者・受験者が増え、特に、N4、N3レベルが大きく伸びていることがわかります。海外・国内を合わせた全体では、海外・国内とも応募者・受験者が増えたN3レベルが最大になりました。
国・地域別の状況
最後に国・地域別の状況を見てみましょう。国・地域別で多い順に並べると以下のようになります。
中国:応募者数/受験者数:172,436人/139,419人
ミャンマー:応募者数/受験者数:84,291人/72,778人
韓国:応募者数/受験者数:66,136人/47,623人
中国が海外の応募者の34.1%、海外の受験者の33.6%と、圧倒的に大きなシェアを占めています。昨年2023年の7月の試験と比べてみると、応募者が103.1%増え、受験者は99.6%でした。ミャンマーは2位ですが、昨年2023年の7月の試験からは応募者・受験者が減っています。韓国は、昨年2023年の7月の試験から、応募者が138.5%、受験者が139.6%と大きく伸びていることが注目されます。
日本語能力試験の応募者数・受験者数は、その国の日本語教育の状況を示すバロメーターの一つともいえます。2024年7月はコロナ前を超え、海外・国内における日本語教育の盛り上がりが感じられる数値になりました。
なお、詳細はこちらをご覧ください。
https://www.jlpt.jp/statistics/archive/202401.html
執筆:新城宏治
株式会社エンガワ代表取締役。日本語教育に関する情報発信、日本語教材やコンテンツの開発・編集制作などを通して、日本語を含めた日本の魅力を世界に伝えたいと思っている。
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