この度、アルクからついに介護の日本語に関するテキストが発売されました!『人とつながる 介護の日本語』は介護の現場で働いている、また、介護の仕事に就きたいと思っている日本語学習者のための介護の日本語テキストです。この本で最も大切にしているのは「人とつながるためのことば」です。外国人介護人材が、働く現場で最も求められることは、利用者や同僚との円滑なコミュニケーションです。日本語総合テキスト『できる日本語』のエッセンスを取り入れた本書は、介護現場で必要な日本語を実践的に学習することができます。
★本書のコンセプト
本書で掲げたコンセプトは次のようなものです。
・学習者が自ら学ぶ力をつける
介護現場の仕事は、決してマニュアル通りにはいきません。学習者が自分で考え、調べ、尋ねて答えを見つける習慣を養うことで、応用力・運用力がアップします。
・他者への配慮のある会話を心がける
介護施設の利用者は障害も性格も十人十色です。常に相手を尊重する気持ちを持ってことば選びができれば、お互いに気持ちのよいコミュニケーションと信頼感が生まれます。
・介護の「こころ」を学び、介護人材としての成長を目指す
介護に従事する学習者にとって、日本の文化や考え方を知ることはとても重要です。相手への深い理解は仕事への向き合い方や自身の成長によい影響を与えます。
★本書の特長
このコンセプトを実現するために、本書には次のような特長があります。
・タスク先行で楽しく学べる!
声かけや申し送りなど、テーマに沿って話してみるところから学習を始めます。自分で判断したり考えたりしながら進められるので、飽きずに楽しく学習できます。課の最後にはCan-doリストで自己評価を行い、できなかったところを確認します。
・モジュール式でどこからでも学べる!
最初の1課を学んだら、後は自由に使ってOK。「朝の整容」「食事の介助」など、さまざまな介護の場面を取り上げた15課の中から、学習者に必要なところを学ぶことができます。
・スパイラル展開で繰り返し練習できる!
まずは「イラストを見て話す」、次は「ロールプレイをする」というように、課の中で難易度を上げながら練習ができる作りになっていますので、学習者のレベルや目的に合わせて使い方を決めてください。
★ここも読んで欲しい! 「ことば・文化・介護のこころ」
本書の巻末には「ことば・文化・介護のこころ」をテーマにした読み物を掲載しています。
内容を「ことば」「文化」「介護のこころ」の3つに分け、日本文化や習慣、介護の心構えなど、外国人介護人材が介護施設で働くときに知っていてもらいたいことを紹介しています。各課を学んだ後に追加教材として学習するだけでなく、利用者や同僚との話のタネとして利用してもよいでしょう。この読み物から楽しい会話をどんどんつなげていってください。
著者の嶋田和子先生は介護の資格を持ち、自らが関わった経験から、日本語で人とつながることを目的とした本書を執筆しました。その内容に花を添えているのは、同じく介護資格をお持ちの油川美和先生のイラストです。お二人の二人三脚でこの本ができあがりました。
また、医療的な観点からアドバイスをいただいたのは、四国大学短期大学部の小倉和也先生です。小倉先生は介護福祉の専門家ですが、留学生の日本語指導を担当している元木佳江先生と共に、外国人介護人材の養成に取り組まれています。
この熱い思いを持つ先生方がタッグを組んで作られたテキストで、介護職を目指す学習者が日本語を学び、介護の仕事の楽しさややりがいを知っていただけるとうれしいです。
『人とつながる 介護の日本語』 嶋田和子 著/小倉和也 監修
B5版、縦257横182厚さ12mm、176ページ(本冊160ページ、別冊16ページ)
定価 2,530円(本体2,300円 +税10%)※ 別冊 語彙リスト(英語・ベトナム語・インドネシア語)※ 無料ダウンロード音声付き
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