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日本語教師のための 今さら聞けない流行語2022 「デレ」

日本語教師にわからない日本語なんて……ある!この記事では、NJ編集者(妙齢)が「よく見るけど実はよくわかっていない」「今さら誰かに聞けない」流行語にあらためて向かい合ってみたいと思います。流行語=言葉の乱れ……などと思わず、日本語の奥深さや面白さを見つめるきっかけにしてください。

♯5 デレにもいろんなデレがある

今回は性格や態度を表す言葉である「○○デレ」を取り上げます。「ツンデレでしょ?知ってるよ!」という方、ツンデレ以外の「デレ」、ご存知でしたか?

★「デレ」代表・ツンデレ

「ツンデレ」とは、ある人物のツンツンしているところとデレデレしているところの二面性を指す言葉です。普段は冷たい態度やつっけんどんな態度を取るのに、あるとき突然甘えてくる……というギャップを表しています。漫画やアニメでよくある、好きな人に対して、人前では恥ずかしさやプライドのせいでツンツンしてしまうのに、二人きりになると甘えてデレデレする様子もツンデレと言われます。

ツンデレの由来はいろいろあるようですが、一説にはゲームキャラクタ―の性格を「ツンツンデレデレ」と表したのがもとではないかといわれています。2006年にはツンデレ文化にハマっている人々をさす「ツンデレラ」が流行語大賞にノミネートされており、そのころから一般的にも知られていったようです。

ツンデレの「デレ」は「デレデレする」ということですが、動詞化した「デレる」もよく使われる言葉です。

例1:A「店長、今度入った美人のアルバイトさんにデレすぎじゃない?」

   B「こっちが恥ずかしいからやめてほしい。」

★いろいろな「デレ」

現在よく使われている、「〇〇デレ」をいくつか紹介します。

・クーデレ

ツンデレの派生語といわれる。最初はクールで近寄りがたいが、親しくなると甘えてくる。好きな人に対して素直になれずクールな態度をとるが、何かのきっかけでデレてしまう場合もいう。

例2:A「Cちゃん、いつもオレに冷たいけど多分クーデレなんだろうなぁ。」

   B「ただ嫌われてるだけだろ……。」

・ヤンデレ

「病んでいる」と「デレ」の合成語。相手が好きすぎて「デレ」が過剰になり、精神的に病んでしまう状態、また、異常なまでに好きな人に執着してしまうことをいう。

例3:A「最近、ヤンデレBL小説にハマっちゃって……。」

   B「だいぶ疲れてるんじゃない?」

 ※BL小説…ボーイズラブ(BL)、男性同士の恋愛小説のこと 

ちなみに、ヤンデレに似た言葉に「メンヘラ」があります。由来は精神の健康を表す「メンタルヘルス」からきていて、気持ちの浮き沈みが激しく精神状態が不安定な人や、自分にかまってほしい、いわゆる「かまってちゃん」を指すネットスラングです。メンヘラは自分中心、ヤンデレは相手中心という違いがあるようです。

他にも、デレたときについ手が出てしまう「ボコデレ」、ドSなツンデレである「サドデレ」、ずっとデレ状態の「デレデレ」など、さまざまな「デレ」があります。

★使い方の注意

「デレ」はかなり定着しており、漫画やアニメのおかげで海外にも知られているようです。性格タイプなどを話題としてクラスで取り上げても面白いと思いますが、マイナスイメージなものもありますので注意しましょう。

今回取り上げた「〇〇デレ」以外にも「素直クール」のように「素直○○」といった言い方もあります。これらは漫画やアニメなどのキャラクターの性格をわかりやすく表すために作られた、日本らしい言葉なのではないでしょうか。やはり「ギャップ萌え」は世界共通ですね!

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