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日本留学試験 日本語以外の科目の傾向と対策

日本留学試験は、日本の大学等に入学を希望する外国人留学生が受験する試験です。日本語と日本語以外の試験科目がありますが、日本語教師は多くの場合、日本語の授業をすることが中心で、日本語以外の科目を教える機会は少ないと思います。しかし留学生は難関大学を目指すには、日本語の点数だけではなく、他の科目でも志望校に応じて必要な点数を取らなければなりません。ここでは、日本語教師にも知っておいてもらいたい、日本留学試験の日本語以外の科目の最近の傾向と対策についてまとめました。徹底した日本留学試験の対策で定評のある、東京国際ビジネスカレッジ神戸校の先生方にお話を聞きました。

留学生が大学に進学するには日本語以外の科目も必要

科目は、文系と理系で大きく分かれ、文系は「日本語」「総合科目」「数学コース1」の3科目、理系は「日本語」「理科(物理・化学・生物から2分野選択)」「数学コース2」の3科目を受験します。

得点範囲は以下の通りです。

日本語:読解・聴解・聴読解 0~400点、記述 0~50点
理科:0~200点
総合科目:0~200点
数学:0~200点

上記の得点範囲は、「日本語」の「記述」を除き、素点ではなく、共通の尺度上で表示します。また、「記述」については基準に基づき採点します。

現在、多くの大学・専門学校が日本留学試験を渡日前入学許可に利用しています(2020年7月現在187の大学・専門学校等)。また、各大学等は渡日前入学許可をするにあたっての日本留学試験の合格目安点または出願に必要な点数を公開しています。

日本留学試験は日本人の大学入学試験と比べると、①(日本人の場合、私立文系は数学がないことが多いが)文系でも多くの大学で数学コース1が必須で計算力が問われる。②(日本人の場合、社会科は世界史B、日本史B、地理B、現代社会、倫理・政治経済などから選択するが)総合科目は、それらにまたがっており、範囲が広い。③問われる項目の難化・細分化傾向があり、問題文の日本語を正確に読み取る力、専門用語・固有名詞をしっかりと漢字で覚えることが要求される、などの特色があります。

日本語教師の皆さんには、日本留学試験を受験する学生の指導にあたり、問題文を正確に読み理解するための日本語の読解力、また非漢字圏の学生は「漢字から逃げないこと」、漢字圏の学生は「試験用語の暗記のみで終わらないこと」などに注意して、専門科目の先生方と連携・情報共有しながら指導を進めていただくことが大切になると思われます。

文系科目~総合科目は掘り下げた学習を、数学コース1は基礎をしっかり

〇総合科目(井上裕太先生)

【出題範囲

  1. 政治・経済・社会~現代の社会、現代の経済、現代の政治、現代の国際社会
  2. 地理~現代世界の特色と諸課題の地理的考察
  3. 歴史~近代の成立と世界の一体化、20世紀の世界と日本

総合科目は近年、語彙のレベルが上がり、難化傾向にあります。教科書の赤字や太字の語句はもちろん、裁判制度→統治行為のように、関連語句までの理解が求められます。また、正しい記述を選ぶ問題には語句の暗記だけでなく、第一次石油危機(重要語)→第四次中東戦争(原因)のように、つながりや因果関係を理解しておかなければいけません。知識のインプットだけでなく、本番形式の演習を行い、単に正しい答えを選ぶだけではなく、選択肢がなぜ違うのかまで分析することが高得点を取るためには必要です。

〇数学コース1(谷村佳樹先生)

【出題範囲

  1. 数と式
  2. 2次関数
  3. 図形と計量
  4. 場合の数と確率
  5. 整数の性質
  6. 図形の性質

数学コース1は、単に計算ができるだけではなく、問題文をよく読んで「何を計算すればよいか」を判断することが大切です。2次関数では、最大値・最小値を求めるだけなく、グラフを書いて与えられた条件を使って場合分けができるように練習をしておきましょう。確率の問題は、確実に解けるようになるまで時間がかかる単元です。順列と組合せの問題を多く解いて基礎を固めておくようにしましょう。数と式、2次関数を確実に解けるようにしておくこと、確率を中心に勉強しておくことで、本番でもしっかり得点できるようになります。

理系科目~理科は留学試験の傾向・特徴をよくつかむ、数学コース2は融合問題に注意

〇化学(黒田浩基先生)

【出題範囲

  1. 物質の構成~物質の探求、物質の構成粒子、物質と化学結合、物質の量的取扱いと化学式
  2. 物質の状態と変化~物質の変化、物質の状態と平衡、物質の変化と平衡
  3. 無機化学~無機物質、無機物質と人間生活
  4. 有機化学~有機化学物の性質と反応、有機化合物と人間生活

化学はここ数年、難易度に大きな変化はありません。過去問を参考にまんべんなく演習を行っておけば、高得点を取ることは難しくありません。ただ、理論化学・無機化学と異なり、「有機化学」は日本の指導要領と少し異なる部分があるので要注意です。問題数が20問あるうちの5問が有機化学についての出題なので、有機化学で点を落としてしまうと高得点を取ることは難しいです。高得点を狙う方は、有機化学について基礎・基本の見直しを行った上で、しっかりとした演習をしておくことが必要です。

〇物理(荻野幸一朗先生)

【出題範囲

  1. 力学~運動と力、エネルギーと運動量、さまざまな力と運動
  2. 熱~熱と温度、気体の性質
  3. 波~波、音、光
  4. 電気と磁気~電場、電流、電流と磁場、電磁誘導と電磁波
  5. 原子~電子と光、原資と原子核

日本留学試験では教科書レベルの難易度の問題が出題されますが、図や表を利用した問題が多く出題されるので注意が必要です。また、現象の変化に対しての「物理量の比」を求めさせる問題が出題されるのも大きな特徴です。解答時間がやや少なく、問題に対して解答の方針すぐに立てないと高得点は見込めません。力学は計算量を必要とする問題もあり、どの問題から解くかも重要になってきます。日頃から、教科書の図や表のイメージを大切にし、基本問題を反射的に解けるようになるまで反復練習しておくことが求められます。

〇生物(森俊祐先生)

【出題範囲

  1. 生命現象と物質~細胞と分子、代謝、遺伝情報とその発現
  2. 生殖と発生~有性生殖、動物の発生、植物の発生
  3. 生物の体内環境の維持~体内環境、体内環境の維持のしくみ、免疫
  4. 生物の環境応答~動物の反応と行動、植物の環境応答
  5. 生態と環境~個体群と生物群集、生態系
  6. 生物の進化と系統~生物進化のしくみ、生物の系統

日本留学試験における生物は、基本的な内容を問う問題が多く出題されます。しかしながら、対象範囲が広く、また覚えるべき専門用語も多いため、まずは、全体像をしっかり理解し、その上で基本的な用語を着実に答えられるようにしておきましょう。例年、「生物の環境応答」からの出題数が多く、また免疫、植物ホルモン、動物ホルモンに関する問題はよく出題されます。また、近年「遺伝情報とその発現」からの目新しい問題や、ややレベルの高い問題が出題される傾向があり、これまでより一歩進んだ対策が必要になってきています。

〇数学コース2(谷村佳樹先生)

【出題範囲

数学コース1の1.~6.に加え、

7.いろいろな式

  1. 図形と方程式
  2. 指数関数・対数関数
  3. 三角関数
  4. 微分・積分の考え
  5. 数列
  6. ベクトル
  7. 複素数平面
  8. 平面上の曲線
  9. 極限
  10. 微分法
  11. 積分法

数学コース2は、図形と方程式の知識、微分の計算力、三角関数の3倍角の公式など、他分野との融合問題が多くなっています。どれかの知識が欠けていると解答できないパターンが多くなってきていますので、根気よく考えて正確に計算できる力を養っておきましょう。難易度は高くなくていいので、いろいろな関数の微分・積分の計算練習を十分に行った上で、面積や回転体など図形の要素が絡む問題に慣れておくと、本番でもしっかり得点できるようになります。

いかがでしたでしょうか。日本留学試験では、各科目とも基礎をしっかりと身に付けた上で、問題演習を十分に積んで制限時間内に問題を解くための実践力を養っておくことが重要です。東京国際ビジネスカレッジ神戸校はこれまで長年にわたり、韓国・時事日本語社と共同で日本留学試験の模擬試験を開発実施してきました。この度、その成果を「文系編」「理系編」の2冊の問題集に分けて出版しました。今年・来年に日本留学試験を受験する学生のいる学校、日本語教師や受験生の皆様にご活用いただければと存じます。

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