検索関連結果

全ての検索結果 (0)
日本語教師の仕事はたいへん?給料は低い?高い?

給料は高いのか、低いのか?英語力はどの程度必要とされるのか?日本語教師になりたいみなさんが気になることを調べてみました。日本語教師の将来性、海外と国内の日本語学校の違いなどもご紹介します。(Keiko)

一般的に日本語教師は『やりがい』のある仕事だと言われています。例えば日本語教師になって生徒が自分の授業を楽しく聞いてくれてどんどん理解し日本語が上達していくというとても手ごたえがあり、社会貢献度の高い仕事という印象がありますよね。

でも日本語教師の仕事をインターネットで検索してみると実際にはかなりの確率で「きつい」「疲れた」「給料が低い」などのブラックなワードがちらほらと目につくかと思います。以前よりは多少は少なくなったものの、このような日本語教師にまつわる一般的に言われているネガティブなイメージはどこまでが本当なのでしょうか?

日本語教師になりたいみなさんが気になる待遇や働くにあたり心配なこと、日本語教師の将来性、海外と国内の日本語学校の違いなど、色々な角度から調べて紹介していきます。

  • 日本語教師のリアルな給料は?
  • 最近は報酬も良くなってきたといわれているが本当?
  • 日本語教師の待遇はきついの?ブラック企業が多い?
  • 日本語教師をスタートするには非常勤講師から?
  • 日本語学校(法務省告示校)の就職試験の内容は?
  • 海外で働くにはハイレベルな英語力が必要?

日本語教師の仕事はきつい?

日本語教師として働く場合に世間の人が思っている以上に大変なこと、辛いこともあるかもしれません。ここではそのあたりをリアルに掘り下げて紹介していきますね。

日本語教師の現実:きつい、疲れたって本当?

一般的に「日本語教師」の仕事は「きつい割には給料が少ない」職業といわれています。また日本語教師の業務として一番大変なのは、授業の準備。特に日本語教師になりたてのころは授業の準備として教案作成に追われ日々が続きます。「時間がない」「疲れた」さらには「給料も少ない」となると気持ちがくじけそうになる方はいるかもしれません。

しかし最近は昔にくらべると待遇などだんだん改善されています。例えば、1コマあたりの時給とは別に事務給などの手当てが出る日本語学校もありますし、学校によっては授業に際しての教師のマニュアルなどがあり、授業前日の自宅での教案作成、準備、予習等が不要な学校も増えています。

ただし、どんな職業にもいえることですが、誰でも仕事環境に慣れる最初のうちはいろいろと大変なことが多いです。そんな時は「そもそも自分がどうして日本語教師という職業を選んだのか」を思い出すことで乗り越えれられるのではないでしょうか。

現実は非常勤講師からのスタート

日本語教師の資格をとり日本語習得のための教育機関などに採用され日本語教師になれたとしても、すぐに専任(常勤)講師になるのは現実的にはむずかしいようです。というのもまず日本語学校で先生になると、主任講師、専任(常勤)講師、非常勤講師という3つのポジションのいずれかに就くことになるからです。

まず主任講師に関してですが、一般的に専任講師の経験が3年以上、必要です。ですので日本語教師になったばかりの方は、非常勤講師かもしくは専任講師でのスタートになります。

なお、最近の傾向として、採用する日本語学校側も日本語教師の経験が半年~1年という人材については、即戦力とはみなさず、若い人材が長く働けるよう自分たちが育てていくという意識に変化している学校が増えているようです。そのため最初は専任講師ではなく非常勤講師でスタートして経験を積むという方が多いでしょう。

ただし管轄省庁の方針で専任講師を増やそうという傾向が最近あります。そうした動きを受けて採用する日本語学校側も専任講師を増員していく傾向にあるとのこと。

ですので今後は、専任講師になれるチャンスが増えて行くことで日本語教師の給与や雇用条件などより向上していくと予測されています。

日本語教師の給料は高い?低い?

未経験の場合は大卒初任給からスタート?

まず専任講師の給料はネットなどの求人票などを調べてみると、一般的に「20万円~」などの最低給与額しか書かれていません。これに、年齢や経験などを考慮して決まっていくので、もっと給料が良い場合もあります。 しかし未経験の場合は一番下からのスタートになるので、だいたい20万円くらい、大卒の初任給くらいです。ただし、給料というのは地域差がありますので、日本語学校が多い東京は他の地域よりちょっと高い傾向にあります。

1コマあたり1,800円〜2,000円が相場?

非常勤講師の場合は1回の授業あたりの報酬になります。大体1コマ1,800円〜2,000円ぐらいの報酬が一般的な相場となります。非常勤講師の場合は学校が長期休暇(夏休みや春休みなど)に入ると授業もお休みになるので大幅に収入が減少してしまいます。 これは非常勤講師のデメリットといえますね。

ただ待遇は以前とはかなり変わってきていて、1コマあたりの時給とは別に事務給などの手当てが出る学校もあるそうです。

日本語教師の仕事に、英語力はどの程度必要か?

国内で日本語教師として働く場合

日本国内の一般的な日本語学校などで勤める場合は、英語が非母語者のアジア系の生徒がほとんどを占めていますので、英語力が求められる求人は少ないでしょう。しかしながら、日本国内の日本語学校(法務省告示校)の就職試験では、例えば以下のような英語力を求められる問題が実際に出題されたこともあります。

Q.日本語学校を辞めようか悩んでいる主旨の生徒の手紙(英文)に、担当教員として英語で返事を書きなさい(国内の法務省告示校での筆記試験にて出題)。

このように日本国内の日本語学校の求人情報の応募資格に「英語力」という具体的な記載がされていなくても、採用担当者は英語などの外国語力も評価することがうかがえます。

また、文部科学省の「日本語教員として望まれる資質・能力」にも以下のように記載されています。

日本語教員としての基本的な資質・能力

まず基本となるのは日本語教員自身が日本語を正確に理解し的確に運用できる能力を持っていることです。その上で、これからの日本語教員の資質・能力として,次のような点が大切であると考られています。

(ア)言語教育者として必要とされる学習者に対する実践的なコミュニケーション能力を有していること。

(イ)日本語ばかりでなく広く言語に対して深い関心と鋭い言語感覚を有していること。

(ウ)国際的な活動を行う教育者として,豊かな国際的感覚と人間性を備えていること。

日本語教員の専門的能力について

次に,日本語教育の専門家として,個々の学習者の学習過程を理解し、学習者に応じた適切な教育内容・方法を判断し、それに対応した効果的な教育を行うための次のような能力を有していることが大切です。

(ア)言語に関する知識・能力 外国語や学習者の母語(第一言語)に関する知識,対照言語学的視点からの日本語の構造に関する知識,そして言語使用や言語発達及び言語の習得過程等に関する知識があり,それらの知識を活用する能力を有すること。

つまり、英語などの外国語能力は今後ますます必要となっていくと言えます。

参考:日本語教育のための教員養成について(報告)(抄)

海外(アジア)で日本語教師として働く場合

海外でも、アジアで日本語教師として働く場合は、授業を日本語のみで行う「直説法」で日本語を教えることが多いため、英語力を求められることは授業自体ではあまりないようです。

ただ、現地での日本語学校のスタッフの方達とのコミュニケーションや生徒との混み入ったやりとり質問などある場合英語力があるに越したことはないですね。

ちなみに、直接法とは日本語教育であれば授業を日本語のみで行うこと。文法や読解の説明も日本語で行います。日本国内の日本語学校では、ほとんどの場合、直接法が採用されています。なお、日本語学習の歴史が長いアジアの国々でも、直接法で授業を行うことがこれまでは一般的でした。

アジアでも、英語力が必要な国も

就職先がアジアであっても、インドやシンガポール、フィリピンなどでは日本語教師も英語で教えられるスキルが採用条件として求められていることが多いようです。

「直説法で教えるなら、日本語教師に英語力は必要ない」という意見もありますが、実際の求人情報では、英語力を採用の条件に挙げている場合も少なくありません。例えばマレーシア(クアラルンプール)の語学学校では、次のような記載がありました。

日常会話レベルの英語を話せる方(授業は直説法で行いますが、英語で質問された場合に答えられる程度の英語レベルを必要とします)

また、大手の語学学校では、フランス語やスペイン語、英語など各国語の授業を展開してますので、世界各国からいろいろな国籍の講師がスタッフとして勤務しています。他の講師とのコミュニケーションは英語で行われることが多いため、英語力が高いほうが有利です。

間接法で教える欧米では、高い語学力が必要

海外でも、欧米の日本語学校では、日本語で日本語を教える直接法ではなく、世界的な共通語である英語や現地の日本語学校の生徒の母語で教える「間接法」という教え方が一般的です。つまり、英語などの外国語能力が求められます。

もちろん、日本語教師として現地で生活する上でも、語学力は、高いほうが望ましいことは言うまでもありません。

関連記事


「日本語教育機関認定法 よくある質問集(令和6年4月18日公開版)」を読む

「日本語教育機関認定法 よくある質問集(令和6年4月18日公開版)」を読む
「日本語教育機関認定法 よくある質問集」は、文化庁によって日本語教育の所管が行われていた時から改定が重ねられてきたものです。今回の改定版によりQA233にも及ぶ、大変充実した「質問集」になりました。この「質問集」の中から、新しく更新された情報を中心にピックアップしてみます。

日本語教師プロファイル京谷麻矢さん―言語マイノリティのサポートを目指して

日本語教師プロファイル京谷麻矢さん―言語マイノリティのサポートを目指して
今回の「日本語教師プロファイル」では京都府にお住いの京谷麻矢さんをご紹介します。京谷さんは現在、大学で留学生に日本語を教える傍ら、中途失聴や難聴の方のための要約筆記者の仕事、そして会話パートナーとして失語症者のサポートをされています。日本語教育での歩みとともに、要約筆記をするに至った経緯や、現在の活動、更には今後の展望までお話を伺いました。

登録日本語教員や日本語教員試験に関するご質問にお答えします 第2回:勉強法について

登録日本語教員や日本語教員試験に関するご質問にお答えします 第2回:勉強法について
 先日、編集部から「登録日本語教員や日本語教員試験に関する質問」を募集したところ、皆様から非常にたくさんのご質問が寄せられました。ここで皆様から寄せられたご質問について、これまで公表されている各種資料を基に、個人的な見解を可能な範囲でお答えしたいと思います。文化庁等には確認をしておりませんのでご注意ください。実際にはケースバイケースの可能性もあると思われますので、あくまで参考意見の一つとして聞いていただければと存じます。

教科書について考えてみませんか-第5回 漢字学習も「できること」重視!

教科書について考えてみませんか-第5回 漢字学習も「できること」重視!
2011年4月から『月刊日本語』(アルク)で「教科書について考えてみませんか」という連載を掲載してから10年。2021年10月に「日本語教育の参照枠」が出て以来、現場では、コミュニケーションを重視した実践への関心が高まり、さまざまな現場で使用教科書の見直しが始まっています。「参照枠」を見ると、言語教育観に関して、「学習者を社会的存在として捉える/「できること」に注目する/多様な日本語使用を尊重する」という3つの柱が掲げられています。これは、2011年4月から『月刊日本語』で連載した中で述べていることに重なります。