1on1のレッスンで効果的にビジネス日本語会話が学べると、多くの企業の方や学習者にご利用いただいているアルクオンライン日本語スクール(AOJ)。実際に講師として活躍するお二人とAOJ事務局のMさんにオンラインレッスンのメリットや進め方のコツ、講師採用のポイントなど、いろいろなお話を伺いました。
まり講師:2018年よりAOJで活躍中。入門から超級、カスタマイズコースまで幅広くご担当。AOJを含め、月に30時間ぐらいのオンラインレッスンをこなしている。
あやな講師:2019年から欧州在住。大学で教えていたときにAOJの求人を紹介されて応募。入門から中級、ビジネスコースもご担当。
いろいろな働き方ができるようになった
――まず、AOJで働くことになったきっかけを教えてください。
まり講師:海外から帰国してすぐに、応募して登録しました。その頃はオンラインの日本語レッスンはまだ少なくて、特にビジネスに特化したものはほとんどなかったんです。AOJは忙しいビジネスパーソンの「メールの書き方を学びたい」「電話だけ学びたい」というニーズにピンポイントで答えているところに魅力を感じました。
あやな講師:私は日本にいたときに少しビジネス日本語を教えていて、その経験が生かせるような場所を探していました。こちらの大学で教えていたのですが、そこでAOJの求人を紹介していただいて応募しました。
――それまでは対面での授業がほとんどだったと思うのですが、オンラインレッスンを始めて感じたことを教えてください。
あやな講師:私は今海外に住んでいるので、まずどこでも教えられるということがありがたいと感じました。日本に一時帰国してもレッスンを続けられることがメリットです。
まり講師:時間的にも自分の生活に合わせることができますよね。私は朝の9時から12時と夜の9時から12時だけにレッスンを入れることにしています。その時間は比較的静かでレッスンもしやすいです。
あやな講師:私も自分が自由に使える時間を決めて、そこにレッスンを入れられるようにしています。
AOJ事務局M:AOJの講師の方にも産休明けで、ご主人が帰宅された後の時間や週末だけ働くという方やお子さんが保育園にいる間働いている方、介護の合間を縫ってレッスンを入れている講師の方もいらっしゃいます。
――オンラインのおかげでいろいろな働き方ができるようになったと言えますね。実際のレッスンについてはいかがですか。
あやな講師:オンライン授業のよさはいろいろありますが、やっぱり画面共有で何でも学習者さんにすぐに見せられることがいいですね。Googleで調べて写真を見せることでぱっとイメージしてもらえます。
まり講師:私も以前は教室にiPadを持ち込んで小さい画面で見せたりしていましたが、オンラインの授業だったら簡単に見せられるのがいいですね。
あやな講師:難しいところは、授業が毎回同じパターンになってしまいがちなことです。特に続けてレッスンを取ってくださる受講者さんに対しては、少しずつやり方や順番を変えて、工夫するようにしています。
まり講師:オンラインの最大の弱点はネット環境に左右されること。とにかくネットがつながらなかったりすると、もうどうにもならないですから。
大切なのは「最初の5分」
――受講者の中には発話が少ない方もいますよね。そういう方から発話を引き出すコツを何かお持ちでしたら、教えてください。
まり講師:私の場合は、例えば花見の写真を見せて「見て見て、花見行ってきた!」と言って、リアクションを待ちます。「どこですか」とか「誰と行きましたか」とか、簡単な日本語でいいから、質問してもらいます。そのために、向こうから質問したくなるような絵とか、写真を準備します。ものでもいいですね。「こんなの、買ったよ」と見せるとか。
あやな講師:私はリアクションを大きくして、相手が笑顔になれるようにしています。それから、私は今日本にいないので、日本で受講者さんが住んでいる地域のことについて「教えて」とよく言います。一生懸命説明してくれますよ。
――日本語の授業では質問のための質問をすることも多いですが、そういう聞き方なら自然ですね。初めての受講者さんに接するとき、気をつけていることはありますか。
あやな講師:最初の5分、アイスブレイクと言うか、関係づくりをとても大切に考えていて、その中でその受講者さんのレベル感や雰囲気をつかむようにしています。それができれば、あとは授業の波に乗って進むだけですね。
まり講師:初めての方に限らず、最初の5分でその日の相手のモチベーション、コンディションをしっかりつかむことが一番大切ですね。仕事でとても疲れている場合は、レッスンの優先順位を変えて「このテキストの中で一番苦手なのはどこ?そこだけやってみようか」みたいにしています。大切なのは自分が教材をしっかり把握していることです。把握して入ればそういう対応が可能です。
あやな講師:相手のことをどれだけわかるかが大切だと思います。例え一回のレッスンだけだとしても、その50分は全力です。相手のことも知りたいし、自分のことも知ってほしい。相手との関係性がしっかりしていれば、自然と授業はうまく進みます。
オンラインでもつながりは生まれる
――印象に残っている受講者さんのエピソードがありますか。
あやな講師:始めたばかりの頃にレッスンを受けてくださった女性いました。年齢が近そうなこともあって授業のこと以外にもいろいろお話できたんですが、最近その方の旦那さんが私のレッスンを取ってくれたんです。オンラインレッスンですが、少しつながりが生まれたなって感じてうれしかったです。
まり講師:パワフルなビジネスウーマンを担当したことがありました。レッスンにも熱心でしたが、コロナ禍で帰国することになってしまいました。それでもレッスンを続けたいと言って、帰国してからもレッスン予約を入れてくれました。私もいつもはしない朝7時からのレッスンをしたりして、二人で頑張って20回のレッスンを最後までやり遂げました。
――20回のコースを通して、小さなドラマが生まれたんですね。
アルクオンライン日本語スクールで採用基準としているところ
――それでは、続いて事務局のMさんにお伺いします。お二人は現在AOJでご活躍している講師の代表ということになりますが、AOJでは、どのように新しい講師を採用しているのでしょうか。
M:履歴書、面接、模擬授業の3段階で選んでいます。法務省告示校の基準を満たすことはもちろんですが、ビジネス経験、体系的に日本語を教えたことがある方、いろいろな教材を使った経験がある方に面接をお願いしています。面接ではかなり突っ込んだ質問もさせていただいていて、例えば、様々な場面での対応の仕方とか、教材研究の視点などもお聞きします。そして、その面接の中で、AOJのアウトプット重視、ビジネス日本語に特化した、質が高い授業を提供できると思われる方だけに最終段階の模擬授業に進んでいただいています。模擬授業では最初の5分で関係性をつかめるか、的確に教えられるか、受講生から会話を引き出せるか、そこからうまく展開できるかというところまで厳しくチェックして、採用が決まります。
M:はい、ですから、様々なご経験、スキルを備えた講師が揃っています。この一年の受講生アンケートでは99%の方がAOJのコース・レッスンに満足しているという結果が出ています*1。また、講師についても教え方が的確でわかりやすいというお声を多くいただいています。
――確かに、まり講師、あやな講師のお話を伺っていても、自分が外国人だったらぜひお二人のレッスンを受けてみたいと感じました。お二人にはこれからもますますご活躍していただきたいですね。
*現在アルクオンライン日本語スクールの講師募集の予定はありません。次回募集については株式会社アルク採用情報にてご確認いただき、直接のお問い合わせはご遠慮ください。
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