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オンラインマッチングサービスを利用して教える

新型コロナの影響により、多くの授業・レッスンの形式が対面からオンラインに切り替わりました。これにより、日本語学校、大学、企業研修などでオンラインによる日本語の授業の需要が一気に高まりました。日本語教師の中にも対面からオンラインへと教える場の比重を移している人もいます。今回はオンラインで日本語を教えてみることに興味がある方向けに、マッチングサービスを使ってオンラインで教える方法をご紹介します。(編集部)

マッチングサービスの隆盛

自分の得意なことを1対1で教える・習うオンライン上のマッチングサービスをよく見かけるようになりました。そのようなサービスの中でも、「外国語を教える・習う」というのは、比較的大きな分野を占めています。オンライン上で気軽に日本人がネイティブから英語や中国語を学んだり、外国人が日本人から日本語を学んだりすることができるようになってきました。

日本語教える・習う場合を例に簡単に説明します。おおよそマッチングは以下のような流れで進みます。

  1. まず、「日本語を教えたい」Aさんがサービスに登録します。
    その際に自分のプロフィールや、何(日本語会話)を、いつの時間帯(日曜日の午前中)に、いくら(1時間2000円)で、どんなふうに教えたいのかなどの情報を入力します。
  2. Bさんがこの情報を見て、「Aさんに日本語を教えてもらいたい」と思ったら、Aさんに連絡を取ります。
  3. AさんがOKすればマッチングが成立します。レッスンの後で手数料が引かれた金額が、サービス会社経由でBさんからAさんに支払われます。

つまり、「オンライン上のプライベートレッスン」なのですが、教える・習う双方にとって、以下のようなメリットがあります。

・AさんもBさんもオンラインなので自宅など好きなところでレッスンできる。

・Aさんは可能な時間帯にしかレッスンを設定しないので自分の都合に合わせて予定を立てやすい。

・Aさんのプロフィール等を見てBさんは申し込むのでお互いの相性が合いやすい。

・Bさんは多くの候補者の中から自分に合いそうな先生を選べる

・多くの場合1回単位なので、万が一相性が合わなければ継続なし。結果的に相性の合う人同士のレッスンが続きやすい。

・Aさんは自分のレッスン単価を自由に決められる。人気が出てくれば自分の時給を上げられる。

これは換言すると、一人ひとり独立した日本語教師による自由競争ということにもなります。レッスン単価は一律ではなく、力量が上がって利用者からの評価(レビュー)も良くなれば、レッスンのリクエスト数も増え、その結果レッスン単価を高く設定することも可能になります。

ここでは、代表的な2つの外国語に関するマッチングサービスをご紹介します。

外国語に特化したマッチングサービス~italki(アイトーキ)

学べる外国語は130以上、教師は120カ国から1万人、学習者は180カ国から500万人が利用しているという世界最大規模の外国語マッチングサービスです。最近、利用者が拡大し、いろいろなところで名前を耳にするようになりました。

教師は、プロ講師とコミュニティチューターに分けて登録できます。プロ講師とは「外国語習得において高いスキルを持つ認定プロ」、コミュニティチューターとは「カジュアルな指導またはスピーキングの練習によって上達をサポートするネイティブスピーカーまたは上級話者」となっています。

この中で日本語教師として登録している人はどのぐらいいるのでしょうか。調べてみたとところ、2020年10月1日現在、596名の日本語教師が登録していました(うちネイティブスピーカーは535名)。このうちプロ講師は231名、コミュニティチューターは365名でした。

講師一覧からは、名前(ファーストネームだけの人も多数)、過去のレッスン数や学習者からの評価、(前述の)講師種別、話せる外国語、1時間あたりの最低料金(1000~2000円代が多いようです)、自己紹介の動画などが見られるようになっています。講師ごとの詳細画面に行けば、学習者の詳細なレビューや具体的なレッスンスケジュールなどが確認でき、そこから講師に連絡することができるようになっています。

スカイプを使ったオンライン習い事サイト~cafetalk(カフェトーク)

カフェトークで習えるものは、ヨガ、アート、ビジネス、趣味など極めて多岐に渡ります。外国語もそのカテゴリーの一つであり、日本語はその外国語の中の一つです。「語学」の「日本語」のすべてのレッスンを検索してみたところ、2020年9月28日現在で3,620ものレッスンが出てきました。

レッスンの内容もバラエティに富んでいます。1回25分や50分といった単位での単発レッスンもあれば、複数回をパッケージにした連続レッスンもあります。会話やフリートーク、特定の教科書を使用するもの、日本語能力試験対策、漢字などのテーマが多いようです。金額は50分で1,000~2,000ポイントといった設定が多いようです。講師はレッスン価格の60~85%を受け取ることになっています。

いかがでしたでしょうか。

もちろんこの2社以外にも、オンラインの外国語のマッチングサービスはたくさんあります。もし関心を持たれた方がいれば、まずは学習者の立場で何か外国語のレッスンを受けてみるといいでしょう。そして、自分でもそのサービスを使って日本語を教えてみたいと思ったら登録してみましょう。オンライン日本語のいいところは、自宅にいながらできること、そして自分のライフスタイルやペースに合わせて仕事を調整しやすいところです。より積極的にやってみたいという方は、(リスクヘッジも兼ねて)複数のマッチングサービスに登録してみるのもいいかもしれません。

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