「お茶碗を手で持つのはなぜ?」「『いただきます』の意味は?」「麺をすする音を立てるのはなぜ?」食事の場面で外国人からよく聞かれる質問と、それに対する回答の一例をご紹介します。
Q. お茶碗を手に持ってご飯を食べるのはなぜ?
外国人と一緒に食事をしているときによく聞かれる質問です。なぜ手に持つかと言われても、子供の頃から親にそのように教えられたのですが、、、
A. 床座から生まれたマナーです
昔の日本では、椅子に座ってテーブルで食事をするのではなく、正座をしてお膳に向って食事をしていました。外国の方は慣れていないとなかなか正座はできませんが、正座をすると食べ物との距離が遠くなります。ですので、お茶碗を持たないと、自分の口まで運ぶまでに、ご飯をこぼしてしまう恐れがあるのです。それはとてももったいないことです。ですので、お茶碗を手に持ってご飯を食べるようになりました。お椀も同様に手に持ち、器に直接口をつけて汁をすすります。逆に、お茶碗を持たずにご飯を食べることは、「犬食い」といわれ、大変マナーの悪いことだとされています。
食器を持って食べる習慣は珍しい
このように外国人からよく聞かれる理由ですが、世界では食器を持って食べるという習慣が珍しいということがあります。西洋では皿を置いたまま、ナイフやフォークを使って食べますし、お隣の韓国では、食器を持ってご飯を食べることは、日本とは逆に行儀が悪いこととされています。文化は国によって違うということがよく分かります。
Q. なぜ「いただきます」「ごちそうさま」と言うの?
A. 食材や料理人への感謝を示すため
日本では食事をする際に、野菜や肉などの命をいただくことへの感謝と敬意を表すために「いただきます」と言います。また、同時にそれらの食材を育ててくれた農家の人や、おいしい料理を作ってくれた料理人への感謝を「いただきます」という言葉で表します。
また、おいしく食事をいただいた後は、同様に「ごちそうさま」という言葉で感謝の念を示します。もともとはあれこれ走り回って(馳走)、食材を調達してくれたことへの感謝の意味から来ています。料理を準備してくれた人だけでなく、レストランのスタッフや食事代を払ってくれた人に、心を込めて「ごちそうさま(でした)」と言うのは、日本では大変いいマナーです。
「あなたの国では何と言う?」と聞いてみよう
食事の前や食べ終えた後、「今、何て言ったの」「どういう意味」「なぜ(そんなふうに)言うの」とよく聞かれます。また自分でもフレーズを覚えようとする外国人もいます。海外にも食事の前後の挨拶言葉はいろいろとありますので、「あなたの国では何というの」と逆に聞いてみるのもいいでしょう。
Q. どうして麺類を食べる時に、大きな音を立ててすするの?
A. 蕎麦の香りを楽しむため
日本人は何でも音を立ててすするのかというと、そんなことはありません。例えば、お味噌汁を飲むときに大きな音を立ててすするのは、行儀の悪いことだと言われます。それでは、なぜ麺類はすするのでしょうか。それは、蕎麦を食べる時に、蕎麦の香りを楽しむためだと言われています。
その年にできた蕎麦の実を秋に挽いて打った新蕎麦はとりわけ香りが強いのです。その香りを楽しむために、勢いよく蕎麦をすすり、口の中で香りを味わうのです。同じ麺類ということで、ラーメンやうどんなどもすすることが多いです。
あなたは、すする? すすらない?
この、音を立てて麺類をすする行為は、ヌーハラ(ヌードル・ハラスメント)として一時期、SNSでもその是非が議論されました。すする行為も文化と言えば文化なのかもしれませんが、同席者が不快に思うことを、楽しい食事の時にあえてすることもないでしょう。
特にラーメンは外国人にも人気があるので一緒に食べる機会も多いのですが、私は外国人と一緒の時は「すすらない」ようにしています。一人で食べる時は思いっきり「すすります」が、、、
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