監修者からのことば

「ヒアリング力完成 発音トレーニング」へようこそ!

小川直樹(Naoki Ogawa) ●総合監修

小川直樹(Naoki Ogawa)
聖徳大学人文学部英米文化学科教授
上智大学大学院言語学専攻修士課程修了。専門は英語音声学・英語学。LLを使った音声指導を中心に授業を展開している。98年から1年間、イギリスのレディング大学言語科学学科で研修。著書に『耳慣らし英語ヒアリング2週間集中ゼミ』『英単語スペリングBEE!』(ともにアルク)、『理屈で分かる英語の発音』(NOVA)など。

発音のルールを知ると、リスニング力がアップする

「発音の練習」と言うと、多くの方は、「ネイティブのようにペラペラと英語を話すための練習」と思うかもしれません。実は、正しい発音を身に付けると、リスニング力がアップします。

例えば、call himは「コール・ヒム」ではなく、「カーレム」といった音になりますが(アメリカ英語では、子音の後にあるhの音が落ちるため)、こういった現象を知らないと、call himというごく簡単な表現さえ聞き取れないこともあります。

また、You can do it.(あなたはそれができる)とYou can't do it.(あなたはそれができない)は、日本人にはcanとcan'tの音が違うだけに思えるかもしれません。実際はそれぞれ「ユークンドゥーイット」と「ユーキャントドゥイット」のように発音され、リズムやイントネーションが異なっています。これを知らないと、You can't do it.なのに「canが強く聞こえたから『できる』だろう」と取り違えたりしかねません。

さらに、発音の学習は英語を話すときにも役立ちます。聞き取りが正確ならば、素早く的確な反応を返せるようになり、発音が正確ならば、相手も話がしやすいと感じ、やりとりがスムーズに進むからです。このように、発音の学習は英語のコミュニケーション全般にわたって効果を発揮するのです。

正確な発音をするための「筋肉」と、正しく聞き取るための「耳」を鍛えよう

習を始めるに当たっては、年齢や過去の海外経験などを気にする必要はありません。発音はスポーツと同じで、正確な発音をするための「顔の筋肉」と、正しく音を聞き取るための「耳」を鍛えることで誰でも向上します。留学した人が海外で経験することを、自宅で練習すればいいのです。音に対する先入観にとらわれず素直な気持ちで取り組めば、どんな人でも必ず上達します。

まず「英語の正しい音とはどのようなものか」ということを意識してみましょう。上級者でも案外これを知らないことが多く、1、2時間学習しただけで、大きな違いが表れることもあります。さらに、英語の「母音」「子音」だけでなく、「リズム」「イントネーション」「音の変化」などについて、さまざまな知識を身に付けて、練習でそれを定着させましょう。英語の筋肉を鍛えるには、できるだけ頻繁に学習したほうがいいのですが、毎日が無理であれば、週数回でも構いません。

正しい音が分かることの効用が、もう一つあります。それは、英語学習が楽しくなってくることです。つづりも意味も知っていても聞き取れなかった言葉がどんどん分かるようになります。ニュースの英語やドラマのせりふが理解できて、自分でもうまく言えるようになるでしょう。それを目標に、3カ月間頑張ってください。

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